《PHP8上級試験対策》xdebug_debug_zval()で見るリファレンスカウントとis_refの関係

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はじめに

PHPの変数は「値のコピー」ではなく、「値への参照」を通じて扱われる場面が多くあります。
特に&演算子で参照を作成したとき、内部的にどのような構造になっているのかを確認できるのが xdebug_debug_zval() 関数です。

今回は、リファレンスカウント(refcount)is_ref の変化を、実際のコードで追いかけながら理解していきましょう。

キーワード: xdebug_debug_zval / 参照渡し / refcount / is_ref / PHPの内部構造

目次

💡 xdebug_debug_zval()とは?

xdebug_debug_zval() は、指定した変数の内部情報(値・リファレンスカウント・参照フラグ)を出力する関数です。変数がどのようにメモリ上で扱われているのかを「見える化」できる、PHPの学習において非常に有用なデバッグツールです。

🧪 実験コード

<?php
declare(strict_types=1);
error_reporting(-1);

$num = 123;
xdebug_debug_zval('num');

$num2 = &$num;
xdebug_debug_zval('num');
xdebug_debug_zval('num2');

$num3 = &$num;
xdebug_debug_zval('num');
xdebug_debug_zval('num2');
xdebug_debug_zval('num3');

unset($num3);
xdebug_debug_zval('num');
xdebug_debug_zval('num2');

📊 実行結果

num: (refcount=0, is_ref=0)=123
num: (refcount=2, is_ref=1)=123
num2: (refcount=2, is_ref=1)=123
num: (refcount=3, is_ref=1)=123
num2: (refcount=3, is_ref=1)=123
num3: (refcount=3, is_ref=1)=123
num: (refcount=2, is_ref=1)=123
num2: (refcount=2, is_ref=1)=123

✅ この結果は 正解。PHP8 + Xdebugの仕様に沿った正しい挙動です。

🔍 解説:各ステップで何が起きているか

① $num = 123;

まだ参照は存在せず:

(refcount=0, is_ref=0)

👉 単体のスカラー値。最適化の都合上、refcountは0になることがあります。

② $num2 = &$num;

$num2$num の参照になり、2変数が同じ値を共有。

(refcount=2, is_ref=1)

$num3 = &$num;

参照グループに $num3 が加わり、3つが同一値を共有。

(refcount=3, is_ref=1)

unset($num3);

$num3 が破棄され、残りは $num$num2

(refcount=2, is_ref=1)

🧠 図解:リファレンス関係のイメージ

初期状態
 ┌──────────┐
 │ $num=123 │ refcount=0 is_ref=0
 └──────────┘

参照を作成 ($num2 = &$num)
 ┌──────────────┐
 │ $num ↔ $num2 │ refcount=2 is_ref=1
 └──────────────┘

さらに参照 ($num3 = &$num)
 ┌──────────────────────┐
 │ $num ↔ $num2 ↔ $num3 │ refcount=3 is_ref=1
 └──────────────────────┘

解除 (unset($num3))
 ┌──────────────┐
 │ $num ↔ $num2 │ refcount=2 is_ref=1
 └──────────────┘

🧩 まとめ

ステップ状況refcountis_ref意味
$num=123単独の値00通常の変数
$num2=&$num参照1つ追加212変数が共有
$num3=&$num参照さらに追加313変数が共有
unset($num3)参照1つ解除21残り2変数が共有

✅ 試験対策ポイント

  • &演算子で参照を作ると、同一の値コンテナを共有する
  • このとき is_ref=1 になり、refcount が共有数を示す。
  • unset()で参照を1つ破棄しても、他の変数が残っていれば値は保持される。
  • Xdebugを使えば、これらを実際に確認できる。

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